大切なこと
「大切なこと」
S.F. イン トーキョー予選 第2回戦。
オラクルベルに示された、俺の対戦相手は同じ日本人。
しかも、女のシャーマン、だった。
しっかし、まさか予選から女と戦う事になるなんて、俺もついてねぇなぁ・・・。
俺は女を泣かせるのは好きじゃねぇんだよ。
というより、女の涙に弱いんだ。実は。
えっ?何で対戦相手の女が泣くかって?
そりゃぁー、おめぇ、俺が勝っちまうからに決まってんだろっ!!
俺は・・・・・葉に負けちまったからな。
もう、負けるわけにはいかないんだ。
・・・絶対に──────────────
「お兄ーちゃ〜ん!!」
「あ?ピリカ、どうした?」
「どうしたじゃないでしょ?!もう試合の場所に行かないと、不戦敗になっちゃうんだからー!!」
「何ぃーっ!!?お、お前ぇそれをもっと早く行ってくれよなーっ!!」
「それくらい自分で気づいてよっ!お兄ちゃんのバカぁ!!」
こうして俺とピリカは慌しく、試合の場所に行ったんだが・・・
やっぱ気が乗らねぇ・・・・・。
女を傷つけたくねぇし。
・・・・・・・・ま、考えてもしょうがない・・・か。
所詮この世は弱肉強食。
弱い奴が───────・・・落ちていくんだ。
って、おい!ちょっと待てよ?!
なんなんだこいつ!?
超かよわそうで、華奢な身体してんのに、一体この巫力はどこからわいてきやがる?!
「うわっ!!おい、ちょ・・・タンマーっ!!!」
「・・・。タンマは・・・なし。」
さらりと駄目だしされた。
・・・・・でも、容姿も声もすっげー可愛い・・・///
「じゃーこのまんまでいい。答えてくれ。」
「・・・・・・・・・・・。」
「お前の持霊は何だ?!オレの持霊は精霊コロッポクルのコロロ。
コロッポクルはアイヌ語で『フキの葉の下の小人』・・・俺たちが自然と一体になった時、
初めて出会った大切な友達なんだ。」
「・・友・・・・・だち・・・。」
「さて、オレの持霊の紹介はすんだぜ。オレはフェア好きなんだ。
次はお前の持霊を見せてみな!」
くぅーーー!!今、完璧決まったよなっ?!オレってやっぱかっこいいぜーーーvv
・・・・・あ?攻撃が・・止まった・・・・・・・。
「・・・ふぅ。いいよ。教えてあげる。私の持霊は精霊クロアゲハの『』・・・
はそのへんにいるクロアゲハとは、比べものにならないほど美しい羽根を持っているの。
それは精霊っていうのもあるけど、人という動物が産まれて以来、
積もり続けている恨み・・・憎しみが、の羽根を暗黒に染めているから・・・。
だからこんなにも黒光りするの。
皮肉な話よね。
美しくない人間が美しいものを創り出す・・・・・・・・・・。」
ドキ・・・・・・・───────
が不意に見せた冷笑が、妙に艶っぽくて
オレは一瞬・・・・・言葉を失った。
が下を向いていたから、何かいわなきゃと思って手を伸ばしたけど
まで・・・・・・・・・・・届かなくて
歯がゆい気持ちで拳を握り締めた
「・・・さ、もういいでしょ?試合、再開するよ!」
「オレはっ」
「・・・え?」
「・・・・・・・・オレは、そうは思わない。」
「な、何言って・・・」
「確かに・・・・・確かに、人間は美しくないかもしれねぇ。でも・・・・・・・・
でも、人間全部が、汚ねぇわけじゃないだろ。
・・・・・・・・・・・・みたいにな。」
「っ?!!///」
そう・・・人間は己の欲でしか行動する事が出来ないんだ。
そして、それに気づいてしまったは、こう感じたんだろう。
──────────────キタナイ──────────────
オレも、そう思う。
けど、そういう人間だけじゃないって、にわかって欲しかった。
だって、絶望感を抱きながら生きていくことほど・・・・・・辛いものは無いからな。
「だから。の羽根は、きっとお前が汚ねぇ人間じゃねーから、
こんなにも美しく黒光りするんだと、オレは感じたぜ。」
と少し戦っただけでわかった。
が、純粋な人間だってことは。
巫力が・・・・・・・・・・・澄みきっていたから。
そして、どことなく・・・温かかったから───────
だからきっと、オレはに惹かれはじめてるんだ・・・
「・・・・・・・・・・ありがと・・・・・・・・・」
「ん?って!!?何泣いてんだー?!お、オレ、何もしてねーぞ?!!
・・・・・・・・おい、・・・?・・・・・!!お前っ・・・・・・・O.S.・・・・・とけてるぞ・・・?」
「・・・・・・・・いいの。私は、ホロホロには勝てないことがわかったから。」
「え・・・?」
「それに私は、ホロホロに、1つの勝ちよりも大切な事を・・・教わったから。
ありがとう。」
「・・・///な、なんか、照れちまうなっ///でもお前、他の2試合両方勝たなきゃダメになんの、わかってんのか?」
「もっちろん!もう1試合は勝ったし、ホロホロだってみたでしょ?私の強さ♪任しといてよ☆」
「う、うん、まぁ・・・。ま、頑張れよ!!!」
「うんっ!ホロホロもね!!」
「あーーーー!っ!!」
「えー?何〜?」
「今度・・・・・・二人きりで会えないかな。・・・・試合抜きで、な!」
「///・・・もちっ☆いいよvvじゃぁ、またね!!」
「おうっ!!」
澄みきっていたのは、巫力だけじゃない。
彼女の心も澄みきっていた。
温かかったのは、巫力だけじゃない。
彼女の笑顔も・・・・・・・・・・・・・
温かかった──────────────
***fin***
本編でホロホロの2回戦の相手が出てこない事をいいことに書いたドリームです★
さんの持霊、勝手に決めちゃってゴメンナサイ( >_< )
しかも「クロアゲハ」vv管理人が蝶好きなばっかりに・・・・・・・。(汗)
「蝶、嫌いぃー(-_-)」って方、ゴメンナサイιιι
→黒蝶
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