「夜の星」
キラキラ輝く夜空の星みたいに見えた。
本当に綺麗だったから。
見ていて胸が、熱くなったから。
君に見惚れる俺がいた。
「ホロホロ?何ボーっとしてんの?行くよ。」
ホロホロを呼んでいるのは。
はホロホロの恋人で、半年前から同棲している。
将来を誓い合った仲だ。
ホロホロとの出会いは、シャーマンファイトの観客席。
2人が出会ったのは本当に偶然で、でも互いに必然のような気がしてならなかった。
何故なら2人は出会ったというより、階段で擦れ違っただけだったから。
唯1つ。
擦れ違った後、2人とも振り返り目が合った。
それは偶然だけど、偶然じゃない。
言うなら『運命』というやつだったのかもしれない。
「ホロホロ・・・この私を無視しようっての?イイ度胸じゃない。」
がふざけて(?)ホロホロに脅しの言葉を投げつけるが、
尚もホロホロはボーっとしている。
・・・・と、いうより。
考え込んでいる様子。
は軽く息をはくと、長椅子に座っているホロホロの横に座った。
そして、ホロホロに寄り掛かりながら言った。
「ねぇ、何か悩んでるなら言って。一人で考え込まないでよ。
・・・・・・・・私が居るのに。ホロホロは独りじゃないんだよ?」
その言葉に、ようやくホロホロが反応を示した。
ホロホロの眉間にしわがよっている。
「・・・・・・・・・・・違うんだ。」
ようやく開いた口から、囁く程度の声量で言葉が零れる。
は何が?と優しく問う。
しかしホロホロの眉間のしわはそのままで、
まるで思い詰めているかのよう。
「俺との住む・・世界が、だよ。」
初めてホロホロがの目を見て言った。
でもにはその意味がよく理解できなかった。
半年も前から同棲しているのに、『住む世界が違う』というのは可笑しい。
困惑しているから視線を外し、ホロホロは続けた。
「と暮らしていると、思い知らされるんだ。
今まで意識しないようにしてたのに、駄目なんだ。
は俺とは違う。
はいつでも輝いてて・・星みたいで、俺はソレに見惚れてばかりいて。
俺の手には届かないんだ、星は。」
ホロホロが両手を組み合わせ、前屈みになる。
星に、祈るかのように。
「でも、こんなに近くに居るよ。
手も繋げるし、キスだってできるよ。
『心』だって、1つになったじゃない。」
涙目で、必死に涙を堪えてが言った言葉は
やっぱり輝いていて、ソレに見惚れる自分と
ソレによって出来る自分の影に
恐れる自分がいた。
は、綺麗すぎるんだ。
それ故惹かれるのは解ってる。
でもが俺と居る理由が解らない。
「・・・・・・私が星なら、私にとってホロホロは・・夜だよ。
私は夜の闇が無ければ輝けない。
そして私は夜に、手が届かない。
だって、夜の中・・ホロホロの手の中にいるんだもの。」
がホロホロの手と自分の手を重ねる。
触れたところからの体温が伝わる。
今まで何度も触れ合っていたのに、今までとは違う暖かさ。
距離がはっきり見えたから、その分寄り添うことができる。
独りでは見つからない答えも、2人なら見つかるかもしれない。
見つけられるかもしれない。
「もし・・俺が夜なら、星・・・・光りが必要だ。
じゃないと迷っちまう。
だから、俺の相手はしかいない。」
キラキラ輝く夜空の星みたいに見えた。
その星が、夜が必要だと言った。
それは偶然か必然か解らないけど、
言うならそれは『運命』だから。
***fin***
麻井 絵里さんからの27000HITキリリク夢でした♪
なんか、あんまり話がまとまってないかも。
でも実はお気に入り(何それ)
今回はホロホロの暗い部分が出したかったんですけど、
明るいホロホロが好きな人、ゴメンナサイ。
ご感想お待ちしておりますvv
→黒蝶
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