「信号 -2-」
”親友”という信号が青に変わるのを待ち続け、
一体どれくらいの月日が過ぎただろう。
全く青に変わる気配が無い。
・・・かといって、赤のうちに渡る勇気も、私には無くて。
私は一人、信号の前で苦悩を抱え、ただ立ち尽くすしかなかった。
「・・・・・!?!」
「はっはい?!」
「青になったから渡るぞ。」
「あ、うん。」
・・今蓮とデート(?)中だった。
何ボーっとしてんの、最悪。
でも、その原因は蓮なんだから。
ちょっとは気付け。
「、貴様なにか最近変だぞ?」
「そ、そうかな・・・?」
びっくりした───っ
まさか本当に気付くとは。
「ふんっ違うのなら別にいい。
・・・・あんまり心配させるな。」
「え・・?今、なんて・・・・・・・」
蓮は赤面して答えてくれなかった。
・・・って事は、私の聞き間違いじゃ、無い?
そぅ思って・・いいよね。
蓮が私のことを心配・・・・って
どうしよ・・・・・・・
かなり嬉しい。
その後2人で映画見て、ご飯食べてって、
他人から見たらカップルなのに。
その先、親友の先に進めない。
なんで?なんで青にならないの?
「ねぇ、蓮。私たちって、何?」
─────── 一人ジャ解ンナイヨ
「なっ急になんだ?」
蓮は目を丸くして私を見た。
「ちっとも急じゃ、ないよ。私は前から蓮のこと・・・・・・
な・・んで青になんないのよ────っ!!」
私は自分勝手に言いたい事を言った。
蓮は少し驚いていたけど、全部何も言わずに聞いててくれた。
言いたい事言い終わって、私は息が上がってて、目も涙目で。
・・・呆れられちゃったかな。ウザイ女とか、思われちゃったかな。
そう思ってた、その時。
震えてた肩が、優しく包まれた。
蓮の腕に。
「、今から言う事は一度しか言わん。
よく聞いとけ。」
私は蓮の胸に顔を埋めてて、
蓮が今どんな顔して言ってるのか解らなかった。
けど、私は頷いた。
どんな言葉も受け入れる覚悟で。
「が今いる信号は、押しボタン式だったのだ。」
「・・・・・・・・・ぶっあはっはははは!な、何ソレ・・」
前振りがあんまりにも真面目だったもんだから、
拍子抜けして思わず笑ってしまった。
にしても、押しボタン式って・・・
「俺は本気だ。もうボタンも、押した。」
「・・・・・・・・え・・?」
ボタンを押したら・・青になっちゃうよ?
「俺が、ボタンを押した。後戻りは出来んが、良いんだな?」
「蓮が・・ボタンを?」
そんなの、答えは決まってる。
今までずっと青になるのを待ってたんだよ?
青になるんなら、青なら・・・・・・
「渡るに決まってるよっ・・・・・
一緒に、渡って・・・・・・・・。」
私は結局泣いちゃって、涙越しに蓮の顔を見た。
その時の蓮はとっても優しい顔してて、
涙を一生懸命拭ってみたけど、止まるわけも無くて。
「・・愛してる。」
甘い言葉と甘い口付けをくれた蓮が、
青に変わった信号を一緒に渡ってくれた。
温かい手を繋ぎながら。
***fin***
壱周年記念企画、十夜さんからのリク夢でした♪
これは私が朝、学校に行く途中の赤が長い信号から生まれたモノです(笑)
でもそこは押しボタンではないから、更にムカツク。
にしても、蓮クンが押しボタン式のボタンを押す・・・
ちょっと微笑ましいかもしれません(何ソレ)
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