「負けない理由 -2-」
数日後───────
部活も終わり、生徒も帰り始めた頃。
テニスコートでは1人の女性をかけて、試合が行われていた。
かけられている女性というのは。
試合をしているのは彼氏の不二、そして菊丸の2人だった。
テニス部員は面白がって、テニスコートを囲むようにして観戦していた。
・・・手塚と大石が病院に行っているのを良いことに。
審判はリョーマが務めていた。
所変わって校内。
はもう帰ろうと廊下を歩いていると、
なにやら外から盛大な声援が聞こえる。
すると目の前を3人の男子生徒が走り去り、
続いて女子生徒が5人・・・。
「外で何かやってんのかなぁ?」
「?!」
呑気なことを言っているを呼んだのはの友達の。
「あ、。外で何やってるか知ってる?」
「知ってるも何も、今不二君と菊丸君が
、あんたをかけてテニスの試合してんのよ!!」
「は?」
全く状況が把握できない。と言った顔の。
とりあえず頭に浮かんだのは・・・・・
「・・・・めなきゃ・・止めなきゃ!!」
そう言って走り出す。
「と、止めるったって・・どっちを選ぶのやら。」
少し呆れ顔のも小走りでテニスコートへ向かう事にした。
「ゲーム菊丸先輩。1−2」
またしても「おぉ────!!」という歓声が起こる。
不二の方が優勢だと思われていた試合、菊丸も粘っている。
「クスッ・・・やるね、英二。」
「へへんっかかってるもんが大きいかんね。」
一見普段の練習と同じように見えるが、
ネットを挟んで殺気の様なものがぶつかり合っている。
そこへフェンスのドアをガシャンと開け、が入ってきた。
走ってきたようで、息がかなり上がっている。
「おや、姫のご登場みたいだねv」
と、に手をヒラヒラ振りニッコリ笑う不二。
菊丸も負けじと叫ぶ。
「ー!!すぐ片付けるから、もうちょっとまってて☆」
「・・・・・・・・・・・・すぐ?」
菊丸の言葉にピクっと反応する不二。
またしても見えぬ殺気が・・・・・
「2人とも、こんな試合止めてよっ!!」
ようやく息が整ったらしく、が口を開いた。
が、既に2人は聞き耳持たず。
試合を再開していた。
「もぉーっ!リョーマ君、今 何対何?」
「2−1で今のところ不二先輩が勝ってますよ。」
「そぅ・・・・。」
内心ホッとしつつ、不安そうに視線を不二に移す。
試合を止めるいい案はないか、と考え込んでいるようだ。
「あっそうだ☆」
はいい案が思いついたらしく、
手をポンと叩き、息を大きく吸った。
「今すぐ試合止めなきゃ、私リョーマ君と付き合っちゃうよっ!!」
これには不二・菊丸、観客も驚き、
一瞬にして静まりかえった。
もちろん1番驚いているのはリョーマだが、
リョーマは審判台から飛び降り、の手を取った。
「いいっすよ、別に。先輩可愛いし。」
ニヤリと挑発的で嫌な笑みをコートの不二と菊丸に向けた。
「ず、ずるいぞっおチビー!!手を離せーっ!!」
「・・・・越前も倒さなきゃならないみたいだね。」
菊丸と不二が余計な事を言うから、の頭の中はますます混乱していった。
「えっと・・だから、試合を止め・・・・。しゅ・・周助ぇー・・・・・・。」
遂には泣き出してしまった。
不二の名前を呼びながら。
不二は素早くの元に行き抱きしめてやった。
菊丸は完全な敗北感を感じ、手から自然とラケットが落ちていった。
そして菊丸はコートを出ていった。
周囲にいた観客も、テニス部員も全員帰ってしまった頃、
まだ不二とは抱き合っていた。
「周助・・もぅ、大丈夫だよ。もぅ・・・こんなに空が暗い。」
は不二の顔を見上げるようにして言った。
しかし不二はそれに答えず、更に強くを抱きしめた。
「嬉しかった。」
不二がの耳元でぼそっと呟いた。
「嬉しかったよ。が僕を選んでくれたこと。」
「そんなの当然でしょ?私は周助じゃないと駄目だから・・。」
その言葉を聞いて、不二は抱きしめる力を弱め、
に何度か優しいキスをした。
自分と同じ気持ちを言葉にしたが愛しくて・・・・。
***fin***
壱周年記念企画、紗奈さんからのリク夢でした♪
なんか英二が哀れ・・・。
何気リョーマ君出てきてるし。
不二はキスしすぎだしぃvv(おぃ)
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→黒蝶
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