「君に逢いに」



「85万か・・・。うん、悪くない。」


ハオはオラクルベルの示した巫力の数値を見てニコッと微笑んだ。
誰の巫力かというと、チーム「Love」のだった。
ハオはが気になっていた。

それもそのはず。

今、チームLoveは戦闘の真最中だというのに、彼女だけは一歩も動こうとしない。
しかし、何か呪文のようなものを絶えず唱え続けているのだ。
物理攻撃は仲間の2人に任せ、は身体の内面から、つまり心理的に攻撃を加え
徐々に巫力・体力をともに蝕んでいっているようだ。
その証拠に、また・・・・・・対戦相手が突然倒れた。
ラジムが近づき意識の有無を確かめる。


「・・・・・・生きちゃいるが、戦闘不能とみなし・・・・・チーム"Love"の勝ちだこの野郎おぉぉ!!!」


ラジムのあつかましい試合終了の合図と同時に歓声が上がる。
それより少し早くにハオは席を立ち、選手が必ず通る廊下を目指し走った。



その頃チームLoveは・・・・・・・───────


「やったね!!!」
「やっぱの心理攻撃は効くぜー♪」
「えへへvv2人ともありがとっ♪2人の物理攻撃もすごかったよ☆」
「・・・・・ねぇ、僕にもその心理攻撃ってやつ、教えてよvvv」


チームLoveが勝利の喜びに浸っている時、の前に1人の男が現れた。
・・・・・・・ハオだ。



「っ!!あんた、星組のハオね・・・・・・・・・!!!!!」


ハオはこのS.Fの本命中の本命。そのためもハオのことは知っていた。


「そうだよ。うれしいなぁ♪僕のことを知っててくれたなんてvv」


ハオは不敵な笑みを浮かべると、に一歩近づいた。
するとは危険を察知したかのように、反射的に身構える。
仲間の二人も同様に、O.Sをする体勢に入った。
それを見たハオはハハハっと笑った。


「僕は戦いに来たんじゃないよ。ただ、君に逢いに来ただけさ・・・。 ・・・・・・・・それに、戦ったところで勝敗は目に見えてるだろ?」


視線をに向けたまま、ハオはまた微笑んだ。
それを聞き、と他の二人も体制を元に戻した。
が、目はまだキツクハオを捕らえている。


「・・・・・あたしに、一体何の用?あたしにはあんたに逢いに来てもらうような覚えはないけどね。」


少し上目使いでハオをキッと睨みながら言い放った。
それにハオは苦笑いをしてから、応えた。


「うん、用件を言う前に、僕はと二人っきりで話がしたいんだけど・・・・・・」


と、そこまで言うと、今までに向けていた視線を他の二人に移し、
「消えないのなら消すまでだ・・・」と言わんばかりに冷たく睨みつけた。
それに仲間の二人は一瞬怯んだが、自分のチームのリーダーをそう易々と引き渡すはずも無かった。


「っな、何いってんのさ?!なんであんたなんかに大事なを渡さなきゃなんないの?!」
「ハオっ!お前、に何する気だ!!」
「・・・・・・・・・・小っちぇな。」


そういうと同時に、S.O.Fで二人を吹き飛ばした。

・・・・・殺す事もできた。

だが、殺したらきっと、が悲しむと思ったから・・・・。





「二人ともっっっ!!!!!・・・・・・・・・っ」





バチンッ





は吹き飛ばされた二人を見て、瞬時にハオの頬をめがけ手が動いた。
ハオは目を丸くし、を見つめた。
この意外な反応に一番戸惑ったのはだった。
はここ何年も、人に手をあげたことが無かったのだ。
それに加え、先ほどの冷酷な瞳と同じだなんて思えないほどの、
漆黒の美しい瞳に見つめられ、動揺もしていた。


「・・・・えっ、や、あの・・・い、痛い・・・??(汗)」
「うん、そりゃぁ痛いよ。」
「・・・・避けると・・・思ったから・・・・・・・っでも!誤る気はないから!!」


すると急には涙目になり、再びハオを睨みつけた。


「あたしの大事な仲間に手ぇ出したあんたが悪いのよっ!!」


強気な発言とは裏腹に、の大きな瞳からは大粒の雫がこぼれていた。
そんなを見て、ハオは一瞬哀しそうな顔をして、を抱き寄せた。


「ちょっ・・・・・な、何してんのよっ!!離れて・・・・・/////」


は必死に抵抗したが、ハオに力でかなうはずも無かった。











「・・・・・・・・・・ごめんね。」











不意にハオがの耳元で囁いた。予想外の展開にの瞳孔が開いた。
そして、顔は朱に染まり、動きも止まった。







さっきまで、憎くて仕方なかったのに・・・・・





なんで急に優しくなるの・・・・?






なぜ・・・






を・・・悲しませようとしたわけじゃないんだ。」




を抱く腕にいっそう力がこもる。








なぜ・・・








「僕は君を・・・・・を、本当に愛してしまった。・・・僕の妻にならないか?」








なぜ・・・?








今日初めて言葉を交わした人間をアイシテシマッタ・・・・・?






なぜ・・・そんな真剣な瞳であたしを見るの?






なぜ・・・






なぜ・・・鼓動が高鳴るの?






「なっ・・・そんなの・・・・・・無理に・・・んっ///」


が断ろうとした時、強制的にハオの口付けにより言葉は遮られた。

















「無理じゃ・・・ないだろう?僕となら・・・・・───────」

















体温が・・・上昇していくのが分かった。






心臓も静まらず、鼓動を刻んでいる。















『無理じゃない』















その言葉が、頭の中で木霊する。






ムリジャナイなんて何故言い切れる・・・・・






未来には保障されることなんて、一つも無いのに。






でも、この目の前の男が・・・






ハオが言うと・・・・・信じてみたくなる。













今日、初めて逢ったニンゲンなのに・・・・・。













「今すぐにとは言わないよvvもっと僕のことを知ってからでも遅くは無いv」


そう言ったハオは"いつも"のハオに戻っていて、またニコッと笑って見せた。


「だ、だから!あたしはあんたの妻になんか・・・って!きゃぁ!!!」


ハオはまた強制的にの言葉を遮った。

今度はお姫様だっこで。


「いーやあぁぁぁーーー!!!!!降ろしてよっ!ハオのばかばかばか!!」


そんなの声も虚しく、ハオはを連れ去っていった。


に何回も殴られながら。(笑)



***fin***





・・・・・ハオ様、誘拐罪。(笑)
って、それより先に人殺してるしハオにとっては小っちぇか、こんなこと。(おい)
ハオのちょいシリアスが書きたくって
書いてみたドリームです☆ちょっとお気に入りだったり・・・♪
よろしければ感想送ってくださいvvv(^-^)
→黒蝶

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