「蛍光」



月のみ光を注ぐ 暗黒の夜に

我が命 削りて光るは



君がため



一度消えてや また光り

二度消えてや なほ光りぬる



我が命 削りて光るは






君がため






さーんっ起きてくださーい!朝になりましたよ。」



早朝六時、小山になっている布団に話し掛けている少年、宗次郎。

宗次郎の呼びかけは、虚しく空を響かせた。


・・・・・・反応無し。



さーーーんっ!起きてくださいよ〜・・もう六時廻ってますよ?」



宗次郎は布団ごとの身体を揺らして起こそうと試みた。



・・・・・・が、またしても無反応。

流石の宗次郎も苦笑いを浮かべつつ、頬を掻いた。



「あvいいこと思いついた☆」



宗次郎は何やら閃いたらしく、手をポンっと軽く叩くと次なる行動に出た。



「えいっ!!」



と勢いよく掛け布団を引っ剥がした。



「・・うーん・・・・・・・さ、サブイっ・・・」

さん、やっと起きましたか?」

「・・・・・・・・・・・・スースースー・・」

「あれ・・・?」



反応はあったものの、再び眠りについてしまったを見て、
宗次郎はガクっと肩を下げた。



「うーん。どうしたものでしょうね・・・ι」



宗次郎は腕を組み、唸りながら首をかしげていた

その時。








「・・・・・・・宗次・・・・郎ぉ・・・。」








「はい・・・・?」




急にが宗次郎の名を呼んだのだ。
・・・・とは言っても、寝言なのだが。



「・・・・・さん?もしかして・・僕の夢を見ているのですか?」



そう言った宗次郎の頬は、少し赤みを佩びていた。

そしてまた、起きないを眺め首をかしげた。




「・・・ふぅ。かくなる上は・・・・・・・vv」




何やら怪しげな笑みを浮かべながら、宗次郎はの上に跨った。




「んん・・・・・・おも・・い。」

「あはは♪いつまでも起きないさんが悪いんですよ〜?」




宗次郎は尚も微笑を浮かべながら、感覚だけのに向かって言った。

そして、の頬にそっと手を添える。





その瞬間から、先程までとは全く違う、穏やかで優しい笑みがこぼれる。














さん・・僕が今からすることを、貴女は許してくれますか・・・・・・・?」















瞳を閉ざし、独り言のように呟く宗次郎。




徐々に自分の顔をの顔に近づけていく。






ゆっくり、ゆっくりと、の唇に自分のを重ねた。








優しく甘く、切ない口付け・・・・・・・・











───────我が命 削りて光るは君がため───────












宗次郎は、静かにの唇を開放した。

とても名残惜しそうに。


宗次郎との距離が戻った頃、
固く閉ざされていたの瞳が開かれる。


その瞳は、眠気眼ながらもしかっりと宗次郎を捕らえている。



「宗次・・・ろ?」

「・・・・・・・・・あはよう、ございます。さん。」



宗次郎は下を俯きながら言葉を放った。

は当然のことながら状況が把握できない。
いつもなら笑顔であいさつをしてくれるのに、今日は・・・・・・・。



・・・しかし、はぼんやりしていた頭が目覚め、


『今』の状況を把握した。





「・・・・・・・っな、なに人の上に乗ってんのよ・・・・・・・っ/////」

「え、あ、イヤ。これはその、つまり・・・・・ιιι」


「問答無用っっ!!!!!」




バキッッッ───────




静かな部屋に、鈍い音が響き渡った。

そこには赤面し、拳を震わせていると、すでにノビている宗次郎いてり。(笑)




少しの沈黙。

するとがふと哀しげな顔を浮かべた。



「ねぇ、宗次郎。宗次郎は・・戦わなくちゃならないの・・・・?」





───────月のみ光りを注ぐ 暗黒の夜に───────





「・・・・・・・・何故、そんなことを・・・・」

「あたしっ・・あたしね。宗次郎と、こうやってじゃれ合ってる時間が楽しくて、幸せだよ。
・・・少なくとも、その刻は宗次郎の本当の笑顔が見れるから。









そんな宗次郎が・・・・・・・・・・・・好きだから・・・・っ」









───────刃を振るいて 血を浴びる───────








「だから・・・宗次郎の本当の笑顔を守りたい。」








───────我が命 削りて光るは───────












───────君がため───────












「・・・・・・・さんは、可愛いですねvv」

「なっ?!!/////」





───────一度消えてや また光り───────





「でも大丈夫。さんが・・・・・・・居てくれるのなら、ですけどね。」





───────二度消えてや なほ光りぬる───────






「・・・・・・・宗次・・・」













「愛してます。さんのことを。」














───────我が命 削りて光るは───────














「心より、貴女だけを。」














───────・・・・・君がため・・・・・───────














***fin***





このドリームは「夢橋」様との相互リンク祝いで贈らせて頂いたモノです。
愛、こもってます。(笑)頑張って書かせて頂きました。
古語の詩とか、実は気にいってたり。

→黒蝶

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